閉塞性睡眠時無呼吸症候群について
<当院では簡易検査を行っています>
『睡眠時無呼吸症候群』とは、言葉の通り「眠っている間に呼吸は止まってしまう病気」です。
これらが当てはまる人は注意が必要です。
さらに、
- 首が太くて短い
- 顎が小さくて後ろに引っ込んでいる
体格的な特徴から無呼吸を起こしやすい方もいます。
『睡眠時無呼吸症候群』を疑う症状ですが、一番は寝ている間に呼吸が止まることです。 しかし寝ている最中のことですから自分自身では気づきません。一緒に寝ている方に指摘されて始めて気づくことが多いのですが、症状はそれだけではありません。以下の症状に該当するものが複数あればもしかしたら『睡眠時無呼吸症候群』かもしれません。
[睡眠中]
- いびきをかく
- 呼吸が止まる
- いびきの大きさに強弱があり、途中でまったくいびきが聞こえなくなる
- 息苦しくて目が覚める、夜中に何度もトイレに起きる
- 寝汗をかく
[起床時]
- 頭が痛い
- 寝たはずなのに熟睡感がない
- 体が重い
[日中]
- 眠い、気づいたら寝ている
- だるい、疲れている
- 集中力が続かない
『睡眠時無呼吸症候群』はどうして起こるのでしょう?
睡眠時無呼吸症候群は2つのタイプがあって、一つは空気の通り道を塞いでしまう閉塞性と、もう一つは脳の呼吸中枢の機能障害による中枢性です。 簡単に言うと、呼吸をしようと思っても何かの原因で空気の通り道が塞がっていて呼吸できないのが閉塞性、「呼吸しなさい」という脳からの命令が一時的になくなってしまうのが中枢性ということになります。
中枢型は多くの場合重症心不全に合併するもので、閉塞型が大多数を占めています。
では、空気の通り道を塞いでしまうとはどういうことでしょう?
元々の骨格的に不利なところに肥満により首や顎に脂肪が沈着したり、扁桃肥大やアデノイドなどでさらに狭くなったところに睡眠中、特に仰向けで寝ると舌の付け根(舌根)が重力で下に押しやられて塞いでしまうのです。
睡眠時無呼吸症候群と循環器疾患
グラフは「各心血管疾患における睡眠時無呼吸合併頻度」です。(出展:循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン)
このグラフに示されているように、重大な循環器疾患の原因として睡眠時無呼吸症候群は重要であり、睡眠時無呼吸症候群の改善が循環器疾患の予防に繋がることがわかってきたのです。
睡眠時無呼吸症候群の改善策
睡眠時無呼吸を改善させるにはどうした良いでしょう?
太らないこと | 適正体重を目指しましょう |
---|---|
飲酒を控える | アルコールはより筋肉がゆるみやすくなり閉塞を来しやすくなります。 |
睡眠薬を極力使用しない | 睡眠薬もアルコールと同様に筋肉を弛緩させるため閉塞を来しやすくなります。 |
仰向けで寝ない | 仰向けだと舌根が沈下しやすいのでなるべく仰向けにならない。 |
睡眠時無呼吸症候群の判定
どうも睡眠時無呼吸症候群ではないかと心配な方は、次のいくつかの状況でどのくらい眠くなるかを思い浮かべてみてください。 それぞれの状況で点数をつけてその合計点を計算します。
0点=眠ることはない
1点=もしかしたら眠ってしまうかも
2点=よく寝てしまう
3点=いつも寝てしまう
点数 | |
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すわって何かを読んでいるとき(新聞・雑誌・本・書類など) | |
すわってテレビを観ているとき | |
会議・映画鑑賞などで静かにすわっているとき | |
他の人の運転する車に1時間以上乗っているとき | |
午後、横になって休憩しているとき | |
すわって誰かと話をしているとき | |
飲酒をせずに昼食をとったあと静かにすわっているとき | |
すわって手紙や書類などを書いているとき |
5点未満 日中の眠気少ない
5〜10点 日中の軽度の眠気あり
11点以上 日中の強い眠気あり
合計点が 11点以上であれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますので 診断のための検査を受けることをおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群の検査
問診などから『睡眠時無呼吸症候群』が疑われた場合は、まずは自宅でできる簡易検査を行います。寝る前に手の指や鼻の下にセンサーを取り付け、いびきや無呼吸の有無・程度、血液中の酸素濃度などを測定します。この結果で『睡眠時無呼吸症候群』かどうか判定ができます。簡易検査の結果、治療も含めより詳しい診断が必要と判断された場合は入院による精密検査を行います。
診療の流れ
当院では簡易検査を行っています。
簡易検査は器械をお貸し出しし、自宅で睡眠中におこなっていただきます。 簡易検査の結果精密検査が必要と判断した場合は、相談の上入院による精密検査を手配いたします。