花粉症

舌下免疫療法の満足度調査

医療系ニュースなどを扱うサイトのMedical Tribuneに興味深い記事が投稿されていた。

千葉大学大学院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学の米倉修二先生が日本アレルギー学会で発表した舌下免疫療法の満足度調査の報告である。
もしかしたら登録した医療者しかみることができないのかもしれないが、引用して紹介したいと思う。

対象は千葉大学アレルギー外来で2014年から舌下免疫療法を受けている患者さんで、症状の程度や服薬状況、同療法への満足度などをアンケート調査を行っている。
症例数は実施1年目が30例、2年目、3年目がともに24例で、結果は以下の通りである。

 例年もしくは昨年(2016年)と比較した症状に関して、実施1年目は「重かった」、「なかった」との回答がともに6.7%だったが、3年目はそれぞれ0%、8.3%となり、鼻炎治療薬について「使用なし」とする回答は、1年目が23.3%、3年目が58.3%となった。

3年目の時点で同療法が「効果的」と感じている割合は100%で、同療法を「満足」としている割合は91.7%に及んだ。

また、同療法を2年間実施した17例についてもアンケートを行い、実施5年後にほぼ同様の項目を尋ねたところ、症状が「軽かった」が76.5%、「なかった」が5.9%で、鼻症状の治療薬および点眼薬について「使用なし」とする回答はそれぞれ35.8%、58.8%であった。

同療法の効果が「持続している」と感じている割合は82.4%で、同療法を「受けて良かった」としている割合は88.2%に達した。

 

引用:Medical Tribune 効果的な舌下免疫療法の継続年数を検証

アンケート調査の対象が外来通院を続けている患者さんであるから、結果にバイアスがかかっているのは否めないであろう。
(そもそも効果を実感できない人は外来にこなくなってしまうこともあり、その場合はアンケート対象にならない)

しかし長期間継続出来る患者さんには満足できる治療法と言えるのではないだろうか。
特に3年目の時点で『効果的』、『満足』と回答している割合が驚異的だ。

治療継続3年目で半数以上が鼻炎治療薬が不要になっているなど、長期的にみて(スギ)花粉症から解放される可能性を期待させる結果である。

まだ新しい治療法なだけにこういったアンケート調査の結果であっても興味深いし、更なる臨床結果の報告が楽しみだ。

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